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《ヒノキブンの家づくり》丈夫な家対策⑧〜地盤改良について〜
みなさん、こんにちは。今回は『地盤改良』についてお話しさせて頂きます。
住宅を敷地に建てる時にその建物の重さを支える頑丈な土台が欠かせません。
しかし、地域や場所によっては地盤が柔軟で十分な強度を維持できない場合もあります。
そして、東日本大地震や熊本大地震などの大きな地震や水害による土砂災害があると、
地盤が崩れて建物が流されてしまうことがあり、また経年劣化が建物が傾いてしまったりする
事もあります。
住宅は何十年と共にするもので、とても一生に一回するかしないかの高価な買い物でもあります。
ほんの数年の間に傾いてしまい、ドアが開かなかったり床が傾いたりするなどの不具合が出てくるよう
では、安心して暮らすことが出来ません。
そこで必要なのが地盤改良工事です。建物を建てる前に地中の様子を地盤調査によってよく調べ、
必要に応じて様々な対策を施すことで、その上に建てる建物をしっかりと安定させ、沈下したり
傾いたりしないようにする建物施工中で最も重要な工事になります。
敷地に住宅を建てる時、『地盤改良』は必ず行わなければいけいないのでしょうか?
まず結論から言えば、法律上の義務はありません。
しかし、建築基準法施工令第三十八条および第九十三条によって、地盤調査が義務付けられています。
さらに、住宅の品質を確保し、建主や購入者の利益を守るために制定された「住宅品質確保の促進等
に関する法律」によって、構造上重要な部分の不備や欠陥については、引渡し後10年間は売主の
責任で補修などを行うよう、定められています。
つまり、家を建てるとなれば地盤調査は必須で、その結果を無視して地盤改良をせずに家を
建ててしまうと、のちに施工側が大きな損害を被りかねないということになります。
このように、現在では間接的な形ながら地盤改良が義務化され、その敷地に準じた地盤改良工事が
必要に応じて行われます。
地盤改良の種類には大きく4種類に分けられます。
①表層改良工法
支持層までの深さが1m程度と比較的浅い場合に採用され、表層のやわらかい土を掘り起こし、
セメントと混合して地表面そのものを固める工法です。
②柱状改良工法
支持層までの深さが2~7m前後の場合に良く採用され、重量がかかる柱部分などの位置を建物の
設計図から割り出し、その部分の地面にコンクリート製の柱を固い地盤に届く様に打ち込んで、
その上に建物を建てる方法です。建物の規模や支持層までの深さによっては、柱を打ち込む代わりに
地面を筒状に掘り下げ、そこにコンクリートを流し込んで杭にするという工法です。
③鋼管杭改良工法
支持層までの深さが7m以上と深い場合に採用され、強度の高い太い鋼管を支持層に届くまで
地面に打ち込み、それを土台として建物を建てます。鋼管を溶接して繋げることで、支持層が深い場所
であっても、安定した土台を作る事が可能です。また、鋼管の先端をドリル状にして回転させながら
地中にしっかり埋め込んでいくという工法です。
④採石パイル工法
柱状改良工法のように地面を筒状に掘り下げ、そこに採石を詰めて土台とする工法で、建物の重さ
が地中に広く分散するため、固い地盤がなくても建物を支えることが出来、柱となる柱状部分の
長さが短くて済みます。また、地中に人工物を残さないため、土地の価値を下げないのも利点です。
地盤改良工事にはいくつもの種類があり、また施工会社ごとに独自の工夫を加えているケースも
多く見られますが、大切なのはその工法が地盤と建物にマッチしているかどうかという点。
その地盤にあった改良工事を行うことが安全な建築に繋がります。
是非参考にしてみてください。